相続があった場合の必要経費に算入する固定資産税

所得税

業務用資産の所有者が亡くなった場合には、年の途中でその資産の所有者が変わるため、所得税の所得金額の計算上、その年の固定資産税を誰の必要経費にするのかという論点があります。

被相続人の必要経費

原則

業務用資産に係る固定資産税のうち、その年の必要経費に算入するのは、納付すべきことが具体的に確定した固定資産税です。

その資産の所有者が年の中途で死亡した場合においては、準確定申告で被相続人の必要経費に算入することが認められる固定資産税は、その死亡の日までに「納付すべきことが具体的に確定」したものです。

固定資産税は、納税通知書が交付されることで「納付すべきことが具体的に確定」するものと考えられます。

したがって、死亡の日までに納税通知書の交付があった固定資産税については、その全額を被相続人の必要経費に算入する、ということになります。

特例

原則的な取り扱いは上記のとおりですが、固定資産税のように賦課課税方式による租税で納期が分割して定められているものについては、必要経費算入時期に関して、原則とは異なる特例的な取り扱いが認められています

その特例的な取り扱いとは、各納期の税額をそれぞれ「各納期の開始の日」または「実際に納付した日」の属する年の必要経費に算入できる、という取り扱いです。

全額を一括して必要経費にする原則に対して、納期ごとに部分的に分けて必要経費に算入してもよいというのが特例の特徴です。

業務用資産の所有者が年の中途で死亡した場合に、この特例的な取り扱いを選択したときには、準確定申告で被相続人の必要経費に算入するのは、
・その死亡の日までに納期の開始の日が到来した分
 または
・その死亡の日までに実際に納付した分
ということになります。

まとめ

死亡日までに納税通知書の交付があった場合

次のなかから選択できます。

① 全額を必要経費に算入(原則)

② 死亡の日までに納期の開始の日が到来した分のみを必要経費に算入(特例)

③ 死亡の日までに実際に納付した分のみを必要経費に算入(特例)

死亡日より後に納税通知書の交付があった場合

被相続人の必要経費に算入できません。

相続人の必要経費

相続人が被相続人の業務用資産を相続により取得し、その資産を引き続き業務の用に供したとします。この場合に、その相続により取得した業務用資産に係る固定資産税のうち被相続人の必要経費にしていない分は、相続人の必要経費に算入することができます

相続人に関しても原則と特例があります。具体的には、次のなかから選択できます。

① 被相続人の必要経費にしていない分の全額を必要経費に算入(原則)

② 被相続人の必要経費にしていない分のうち、その年の12月31日までに納期の開始の日が到来した分を必要経費に算入(特例)

③ 被相続人の必要経費にしていない分のうち、その年の12月31日までに実際に納付した分を必要経費に算入(特例)

賢く必要経費に算入

死亡日までに納税通知書の交付があった場合には、被相続人と相続人のどちらの必要経費にするか、納税者側に一定の裁量の余地があります。

よく検討してより有利になる方針を選択しましょう。

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