ジーン・クランツは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の主任管制官を務めた人物です。アポロ13号の事故が起きた時、ヒューストンの管制室で指揮を執ったのが彼でした。アポロ13号は、月に向かう途中の宇宙空間で酸素タンクが爆発するという絶望的な状況に陥りましたが、彼の指揮のもと乗組員や管制室の人々の尽力で困難を乗り越え、奇跡の生還を遂げました。
その伝説的な人物の「仕事の十箇条」があります。
- Be proactive (先を見越して行動しろ)
- Take responsibility (責任をもて)
- Play flat-out (全力でやれ)
- Ask questions (質問しろ)
- Test and validate all assumption (すべての想定を試して検証しろ)
- Write it down (書き留めろ)
- Don’t hide mistakes (失敗を隠すな)
- Know your system thoroughly (徹底的にシステムを知れ)
- Think ahead (先を考えろ)
- Respect your teammates (仲間を尊敬しろ)
ひとつひとつはどこかで聞いたことがあるような平易なフレーズかもしれませんが、伝説の男が残した言葉となると、どれも大変な含蓄があるように感じられてきます。偉人の名言とはえてしてそういうものであり、また、そうあるべきだと思います。
ところで、私がこの十箇条を初めて知ったのは、 2009年 に「The Moon」というタイトルのアポロ計画に関するドキュメント映画を見たのがきっかけでした。当時、北千住で暮らしていた私は、日曜日の夜に隣町の西新井のシネコンにひとりでふらりと寄って、レイトショーの少し安めの料金でこの映画を鑑賞したのでした。
以来折に触れこの10箇条のことを思い返すようにしています。ちゃんと実践できているかと自問自答することが続きそうです。