令和2年税理士試験 試験会場での検温

世の中のこと

令和2年税理士試験が例年通り8月に実施されます。

新型コロナウイルス感染症が収束しないなかでの実施となります。

そこで、税理士試験を取り仕切る国税審議会は7月16日付で税理士試験受験者に向けて「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を踏まえた注意事項について」という文書を公表しました。試験当日の感染拡大防止策について説明した文書です。

https://www.nta.go.jp/topics/pdf/0020007-094.pdf

会場での検温

この文書を読んで最も目を引いたのは、次の記述でした。

試験会場において、サーモグラフィー等による計測を行います。これらにより、37.5度以上の発熱が認められた場合は、受験できません。

「受験できません」というのは要するに不合格が確定することを意味します。受験生にとっては重大事です。その割に、検温の仕方について、すなわち「当日のいつ」「会場のどこで」なのか等の詳細が書かれていないのが気がかりです。

こんな検温だとしたら問題あるかも

書いていないことは色々想像してしまうわけですが、もしも試験中の受験生をサーモグラフィーで検温するということなら、大きな問題が生じかねないように思えてきました。

つまり、病気でなくても、試験中のストレスによる心因性の体温上昇、あるいは手や腕の筋肉の発熱による体温上昇で、37.5度を超えてしまうことが起きかねない懸念です。

問題をスラスラ解ける場合ばかりとは限らず、時として解答に戸惑うこともあるはずです。そんなとき試験中の受験生は強いストレスにさらされます。ストレスを感じた時に交感神経の働きが活発になり体温が上昇します。個人差はあるでしょうが、37.5度以上の高熱に至ってしまうケースもあるかもしれません。

また、税理士試験は記述式の理論問題が出題され、解答用紙にかなりの量の記述が求められます。理論問題では、書く内容を決めたら一心不乱に書きまくる! これが伝統的な試験テクニックです。少しでも早く書き終えることができれば、それだけ計算問題に割くことができる時間が増えるからです。個人差はあるかもしれませんが、(筆者もかつてそうでしたが)ガーッと書きまくる間、指や腕がどうにかなってしまうのでないかというくらい筋骨を酷使します。このとき、ややもすると体温が37.5度以上になってしまうことがあるかもしれません。

まさかとは思いますが、こんなことで「受験できません」からの「不合格」などという事態になってしまったら不憫でなりません。

他の資格試験ではどうなっているか

さすがに上記のようなやり方はいくらなんでもないだろうと思い直しつつ、この夏に実施される(あるいは実施された)他の資格試験では試験会場での検温をどうしているのか気になったので、いくつか調べてみました。

(注)引用のなかの太字はこの記事の筆者によるものです。

一級建築士

建築技術教育普及センター 6月17日公表

「令和2年一級建築士試験における新型コロナウイルス感染症などへの対応について」より

当日、試験会場の入り口において、全ての受験者について非接触型体温計による検温を実施します。発熱等が認められた場合には受験をお断りしますが、感染拡大防止のために必要な措置でありますので、ご理解とご協力をお願いします。

中小企業診断士

中⼩企業診断協会 6月24日公表

「令和2年度中⼩企業診断⼠第1次試験における『新型コロナウイルス感染症への対応について』」より

当⽇、試験会場の⼊⼝において、全ての受験者について⾮接触型体温計による検温を実施します。その際、受験票をあらかじめご準備ください。

37.5度以上の熱のある⽅につきましては、 感染拡⼤防⽌のために必要な措置として受験をお断りすることとします。

受験者全員の検温を⾏いますので、時間に余裕をもって会場へお越しください

司法書士

法務省民事局 7月7日公表

「令和2年度司法書士試験における新型コロナウイルス感染症への対応について」より

試験会場においては,検温を実施する予定ですので,早めの御来場をお願いします

司法試験

司法試験委員会 7月15日公表

「令和2年司法試験及び司法試験予備試験に係る新型コロナウイルス感染症等の感染防止対策について」より

試験場入口にサーモグラフィを設置するなど,体温測定を実施する予定ですので,時間に余裕を持って試験場に到着するようにしてください

社会保険労務士

全国社会保険労務士会連合会試験センター 7月17日公表

「第52 回(令和2年度)社会保険労務士試験における新型コロナウイルス感染症の感染予防の対応について」より

すべての試験会場で入場時等に検温を行います。

試験会場において、37.5 度以上の熱が確認されるなど新型コロナウイルス感染症の感染の疑いがある場合は、感染拡大防止のために必要な措置として受験をお断りいたします。”

土地家屋調査士

法務省民事局 7月20日公表

「令和2年度土地家屋調査士試験における新型コロナウイルス感染症への対応について」より

試験会場においては,検温を実施する予定ですので,早めの御来場をお願いします

「試験開始前に」「入口で」検温か

以上のように、6つの他の資格試験における会場検温に関するアナウンスを調べたところ、「試験開始前に」「入口で」検温すると明記しているか、そのように伺える記述になっていました。

そうなると、税理士試験だけ特殊なことはしないでしょう。税理士試験においても、試験開始前に入口で検温するであろうと推察できます。だとすれば、先述した試験中検温による問題は筆者の個人的な杞憂に終わりそうです。

試練の年

いずれにしても令和2年の試験は、会場で検温が実施され37.5度以上あれば事実上の不合格になってしまいます。実際に新型コロナウイルスに感染しているかどうかは関係なく、体温の値で形式的に判定されてしまうところが一層の悲哀を誘います。

もしも検温で不合格になる受験生がでてしまったならば、その受験生本人にとって痛ましい悲劇となるでしょう。さらには、試験を運営する人々にとっても辛い体験になってしまうかと思われます。

幸いなことに、この記事を書いている時点で既に実施された一級建築士試験(7月12日)と中小企業診断士第1次試験(7月12日・13日)においてそのような事態が起きたという話は今のところ聞こえてきておりません。

無事を祈るばかりです。

タイトルとURLをコピーしました